消えていく忍者
消えていく忍者
かつて、忍者は戦いの武器だった。
およそ500年前、日本がまだ国家統一をはたしていなかった戦国時代(16世紀)群雄割拠の世の中から最初の忍者が生まれた。忍者は特殊な知識、特に医学知識において優れており、スパイのように身を隠して敵地に侵入し、敵に接近。場合に応じて敵をたおす様、特殊訓練を積んでいた。
彼らの医学知識は、時に毒を調合し、痕跡なく敵をたおすことに役立ち、また多くの時代劇に出てくるように、多くの忍者が薬屋を隠れ家にしたり、薬売りの行商をしてカムフラージュしていた事は今日ではよく知られている。
忍者がこのような特殊な使命を担っていたがため、内乱が終息し、日本全土に変化の兆しが見られるようになると、活躍の場を失う事になり、実際的な存在ではなくなってしまう。その後、以前とは異なった分野で特技を生かしながら生き残った忍者もいたが、それでも徐々に減少し、消滅するにいたる。
今日では忍者は単なる過去の話でしかなく、映画製作のネタになったり謎めいた人物として人々の関心を誘うばかりである。