「真田幸村と甲賀流忍者」立命館大学福田晃名誉教授講義のご案内

朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾で、「真田幸村と甲賀流忍者」の講義があります。同じ信州長野の名族・滋野氏を祖先とする真田幸村、甲賀流忍者の甲賀望月氏(望月三郎、望月出雲守に代表される甲賀望月氏本家旧邸を甲賀流忍術屋敷として公開)、甲賀近隣の多くの諏訪神社、甲賀の飯道山の修験山伏、甲賀三郎を祀る神社(敢國神社)等の史実と、真田十勇士、甲賀三郎伝説の虚構、人々に語り継がれてきた虚構の中に隠されている歴史の真実についての探求の講義です。
【講義内容】
戦国時代の英雄・真田幸村の輩下には、甲賀の猿飛佐助に代表される忍者集団がいたと伝えられています。いわゆる真田十勇士で、近代の出版社が作り出した虚像です。しかし、真田幸村の出自を尋ねてみると、そこには一概に虚構とは言えない史実が隠されています。およそ真田氏は、信州長野の名族・滋野氏(望月・海野・根津)の分流で、海野氏を継ぐ家筋でした。この滋野氏というのは、元来星の神を奉じ、犬飼・馬飼・鷹飼に通じる呪術集団から誕生した武芸の家です。したがって、七曜・九曜を祀る滋野家周縁には、多くの修験山伏が存していたのです。しかも、この滋野氏は、諏訪祝家の縁を結んで、諏訪信仰布教の先達もつとめていました。その中の望月氏の一流が近江・甲賀にあり、彼らは、この地に至って、諏訪明神の前世を語る甲賀三郎物語を生成します。主人公が地底遍歴の苦難を克服して神になったとする物語で、その真田幸村の英雄伝説にも通じます。しかしその甲賀望月氏からは、確かに幸村に加担した忍者が誕生していたのです。人間の真実は、虚構の中に隠されています。それを発見するのが、この講義の狙いです。
【日時】
2016年 3月19日(土) 15:30 ~ 17:30
【場所】
京都朝日会館
【お問い合わせ】
朝日カルチャーセンター 朝日JTB・交流文化塾  Tel 075-231-9693