忍者が育てたくすりの里
忍者が育てたくすりの里

甲賀忍者集団53家の筆頭格望月出雲守家(当屋敷)の周辺は日本の東西の往来を支配する戦略的な要衝であった。争いはしょっちゅう起きる。生き延びるには、どこの勢力とどのようにかかわり、また今、自分たちがどのような立場におかれているのか、今後どうすればこの地域の民の安全と発展が得られるのかなどについて53家の親分衆が協議する。情報が要る。そこで諜報活動する集団、それが忍者である。
 山伏姿で加持祈祷してお守り札や薬を売り歩き、諜報活動をする。当然道中、病にもなるし、また道にも迷う。そこでいろんな知識が必要になる。天文学、科学、医学、薬の製法等々...。そのように、甲賀忍者が各地から持ち帰った薬の処方、製法が現代の甲賀の里を薬の町に育てていったのである。